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帰りたい風景帰れない風景No512

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「明易や絶滅危惧種南無阿弥陀       七」







甘み足し花鳥諷詠ゼリ-寄せ
美しく手首の傷も夏めけり
麦の秋焦げているのはあなたの頭
少年活字少女ひらがな聖五月
夏空や空き地ばかりが増えている
プルトップ引けばむくむく夏の雲
五月雨や脳漿にまた水溢る
駅前の何処も彼処もさみだるる
農作放棄地穿てり夏の雨
水無月の妙に明るいさびしさよ


締め切った部屋が変に暑いと思ったら、世間は夏になったのだ。

高橋龍氏より「人形舎雑纂・續」拝受。
中表紙は、カルロ・ドルチの「親指聖母」。青が美しい。

これと言って書き記すほどのこともなく、まもなく六愚穵。

いや、ひとつだけ、知人から送られてきたベクシンスキ-の画像は興味深い。
現代の若い画家かと思っていたら、あの、天才画家がやたら輩出した1929年生まれなのだ!
http://world-fusigi.net/archives/7706340.html
























帰りたい風景帰れない風景No511

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「もより駅遠回りして花曇     七」







花曇記せば空は剥がれけり
鳧(けり)つけに風を従へ春の闇
闇の淵声を失くして蠅生る
生るるを厭厭厭だみどりの日
逃水に日の重なりを括り入れ
捨てる拾う捨てる拾う暮の春
爛熟の思考中枢鳥曇
雲を呼ぶ人と連れ立ち青き踏む
春驟雨あと数分で軽く(かろく)なる
行く春や修正液を二度も塗る


風にはまだ冷たさが残るものの、
日射しは初夏のよう。

さて、書棚の整理をすれば
岡井隆の特集本がばさり。

「わがしぐさあはれとおもふくまもあらずアトピ-を掻く爪の空音の」
「相隣る部屋にひとときひそみつつ扉があるやうで無い夕まぐれ」
「チョコレ-トが重さと蔭をかさねあふさういふ底の天地」

久しぶりに詠むと官能がざわつく。

岡井と塚本は対のようにボケ始めた私の脳漿に浮かぶ。
岡井は「西行」、塚本は「定家」と、しかし、逆やも知れぬ。と吉本は言及していたようだ。

「革命家作詞家に凭りかかられてすこしづつ液化してゆくピアノ(邦雄)」

この一首だけで粘菌のやうにある種の人々のたましひを捕らえてしまったのだから、ヒトモジのごとくおそろしい。


  風が強くなってきました。












帰りたい風景帰れない風景No510

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「リラ冷えや鏡を廻り在帰宅     七」





大空のだらりと下がり暮の春
薬液の静かに満ちて春の闇
モヴィ-ルの糸絡まりぬ鳥の恋
からすのえんどう全身を覆いけり
あれはそう風の泣く声山桜
別れ告ぐスマホの画面花の雨
泣きくれてなほしなやかな柳かな
パンジ-にはするなよ内緒の話
逃げ水を夜逃げや本舗売りにけり
拠りどころなさそな顔に蠅生る

寒い。
スト-ブを焚きました。
里山にに住む知人が腕一杯の野蕗と筍を置いていってくれました。
蕗は薄味で煮染め、筍の一本は皮付きのままオ-ブンで焼き、柚胡椒と生醤油でさっぱりと。後は茹で薄味で煮る。そうそう庭のタラの芽が茫としている内に大部伸びましたが、これはこれで、天麩羅や胡麻和えにしたり、オリ-ブオイルで焼いて食しても美味。
今年も春の新鮮な命をいただけてありがたい。

「はがきハイク第15号」&「面、121号・西東三鬼特集」拝受。

Sylvie GuillemのDVDは借りたまま。すみません。
https://www.youtube.com/watch?v=WoKGR4CmwXQ&list=RDWoKGR4CmwXQ#t=31

あいかわらず、コレ付けっぱなしで作業。手が止まるのが多すぎるww
http://www.nicovideo.jp/watch/sm6004430

雨が窓を叩く。



































帰りたい風景帰れない風景No509

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「見るもののみな既視感と云ふ朧      七」







一年の嘘を列べて万愚節
清明や空の青みを水に映え
空き箱に空き箱を入れ鳥曇る
こんなことしては居られぬ春炬燵
蜆汁案外深い闇混ざる
別れ際うぐいす餅の手に重く
鞦韆を漕いで月までの距離
野遊びの匍匐前進老人会
紙風船泣き虫の子がおかあさん
ガラス玉たくさん吊し修司の忌
朝寝してゆふべの旅の重さかな
春の夢泪の川を漕ぎにけり
脳漿はあふれる蝌蚪の棲み処
花の昼溶ける時計の中にいる

花辛夷風を見たと云ふあの人
花盛りの森にいていつもひとり

https://www.youtube.com/watch?v=3SvmF8kb5CY

https://www.youtube.com/watch?v=ZuI61cTNbAk














































帰りたい風景帰れない風景No508

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「たんぽぽのぽのあたりかな潮満ちる      七」





たんぽぽのぽを一面に置きにけり
たんぽぽのぽをいただいてデトックス
たんぽぽのぽを玉にして大当たり
たんぽぽのぽに泪して溺れたり
たんぽぽのぽと手を取りて駆け落ちす
たんぽぽのぽとの密会ホ-ムにて
たんぽぽのぽは野を出でて引き籠もる
それなりにぽは覚悟してたんぽぽに
きぞはまたぽのいくつかが消えました
ぽを捨ててたんぽぽはまたぽを探す
ろくねんののちのたんぽぽぽにであふ


帰りたい風景帰れない風景No507

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「靴紐を結び直して風光る     七」




春うらら保温時間のとうに過ぎ
曲線と曲線出会う猫の恋ひ
永き日や各駅停車の一人旅
リラ冷えや美少年ロボ買いに行く
亡き人の腕時計して遅日かな
ここまではいつか来た道あと朧
のどけしやきみは猫語でぼく鳥語
会議中札あるそばにいぬふぐり
世も末じゃ世も末じゃ世や虻唸る
雛飾り後ろに流る深い川


氷雨降って彌生のはじまりは寒い。
受験の頃は決まって雪が降り、すべったの転んだの禁句で笑う。
格差は大昔からあったが、現在にいたってますます顕著になっただけだろう。
努力すればいつか夢は叶う、なんてお伽噺はもはやだれも信じていないから、
おとぎばなしのようなフェイクな話が流行る。
せめて、よく眠り、夢の中の美しい夢に浄化されよう。
















帰りたい風景帰れない風景No506

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「春立つやMy Foolish Heart Foolish Heart       七」







立春らしい春のはじめ、日射しは明るく暖かい。
知人から借りていた「吉増剛造」と、「こうせき」と言う現代詩人の朗読CDを聴きました
。あんまり期待もしていなかったのだが、ほぼ声だけの、音、に、うかつにも引きずり込まれてしまい、インゲン豆を茹ですぎてしまった(笑



胸の火と鬼飼い慣らし二月尽
春立つも結び目やはりほどけない
さよならと言えばさよなら春が来る
人のことばかりあれこれ余寒かな
捨てる恋拾う恋ありかの子の忌
靴擦れのじりじり痛む猫の恋
あれはほら星の音楽冴え返る
白梅の咲くあのあたり月の宿
ヒミツキチ青空落ちて修司の忌
早春や口笛を吹き指鳴らす

たまには、Jan Garbarekを聴こうか。

https://www.youtube.com/watch?v=IHbW2mtwZKM