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帰りたい風景帰れない風景No514

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「新聞のインクの匂い今朝の秋七」



                          (poto 小山穂太郎)
セレナ-デ Ⅲ
旅は続く 上へ下へ 前へ後ろへ 横へ 果てない穴の中へ
寄せ来る大潮の波に乗り 鯨の住む町に着く 潮のしみたしょっぱいドアを開けると グラマラスな彼の女の 蜜蜂のようによく締まった 腰のあたりを氾濫する土産物
海豚の耳骨の串焼き 蛸壺の中の取れない金塊 背鰭のグラスで呑む75度の酒 目玉の塩辛 竜宮の遣いの滑らかな皮のドレス なんてしなやかな!鯨の髭の鞭 止まらない涙の瓶詰め 結晶した哀しみのピアス 美肌用オイルエステで失くす記憶 深紅のペディキュアの捻れた足指に あっけなくなぶられる持参した欲望
旅は続く 放物線を描いて 裏返るビ-サンは 落ちる! 明日の天気は雨雨雨
断ち切れない赤楝蛇の尻尾をぶら下げ 遠く近くを 曲がった脊椎が奏でるヘビメタの音域
夢の掟を 放り投げては占う 旅の末
ウラオモテナニアナタコガレテシンジャッタ ウラオモテウシロノショウメンダアレ イツイツデヤル イツイツデヤル イツイツデヤル (2007年頃)

夏の終わりに体調を崩して床に臥せって居るうちに秋になってしまった。 ふと見上げた空に刷毛で掃くような薄い雲が広がり 月もまた大きく高くなったような気がする。 あちこち尋常ならざる豪雨の報せ。 ここ何年かの雨の降り方と言ったら、 地に巨大な穴でも穿つような巨大な滝が落ちるように降るので怖いくらいである。
「切手また値上がりました秋暑し  七」

帰りたい風景帰れない風景No513

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「転居先蛍袋と記入する       七」






赤エイの地下駐車場占拠譚
ビニ本とミルクセ-キと引き籠もる
あの声の籠もるあたりを青葉木菟
缶詰の蜜豆開ける時秘密
白玉やたましひつるりと喉かな
水番に母はたっぷり水もらう
愛鳥週間螺子式の鳥飼う
竈馬死角に置いて旅の朝
青林檎美しき距離残しけり
草苺あの色の日の記憶持ち
木莓や唇の色落ちやすし


七月のはじまり。
強い風の音が耳をふさぐ。
蒸し暑い。
茫洋として、思い出すこと皆横広がりに懈怠し、厭きる。
































帰りたい風景帰れない風景No512

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「明易や絶滅危惧種南無阿弥陀       七」







甘み足し花鳥諷詠ゼリ-寄せ
美しく手首の傷も夏めけり
麦の秋焦げているのはあなたの頭
少年活字少女ひらがな聖五月
夏空や空き地ばかりが増えている
プルトップ引けばむくむく夏の雲
五月雨や脳漿にまた水溢る
駅前の何処も彼処もさみだるる
農作放棄地穿てり夏の雨
水無月の妙に明るいさびしさよ


締め切った部屋が変に暑いと思ったら、世間は夏になったのだ。

高橋龍氏より「人形舎雑纂・續」拝受。
中表紙は、カルロ・ドルチの「親指聖母」。青が美しい。

これと言って書き記すほどのこともなく、まもなく六愚穵。

いや、ひとつだけ、知人から送られてきたベクシンスキ-の画像は興味深い。
現代の若い画家かと思っていたら、あの、天才画家がやたら輩出した1929年生まれなのだ!
http://world-fusigi.net/archives/7706340.html
























帰りたい風景帰れない風景No511

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「もより駅遠回りして花曇     七」







花曇記せば空は剥がれけり
鳧(けり)つけに風を従へ春の闇
闇の淵声を失くして蠅生る
生るるを厭厭厭だみどりの日
逃水に日の重なりを括り入れ
捨てる拾う捨てる拾う暮の春
爛熟の思考中枢鳥曇
雲を呼ぶ人と連れ立ち青き踏む
春驟雨あと数分で軽く(かろく)なる
行く春や修正液を二度も塗る


風にはまだ冷たさが残るものの、
日射しは初夏のよう。

さて、書棚の整理をすれば
岡井隆の特集本がばさり。

「わがしぐさあはれとおもふくまもあらずアトピ-を掻く爪の空音の」
「相隣る部屋にひとときひそみつつ扉があるやうで無い夕まぐれ」
「チョコレ-トが重さと蔭をかさねあふさういふ底の天地」

久しぶりに詠むと官能がざわつく。

岡井と塚本は対のようにボケ始めた私の脳漿に浮かぶ。
岡井は「西行」、塚本は「定家」と、しかし、逆やも知れぬ。と吉本は言及していたようだ。

「革命家作詞家に凭りかかられてすこしづつ液化してゆくピアノ(邦雄)」

この一首だけで粘菌のやうにある種の人々のたましひを捕らえてしまったのだから、ヒトモジのごとくおそろしい。


  風が強くなってきました。












帰りたい風景帰れない風景No510

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「リラ冷えや鏡を廻り在帰宅     七」





大空のだらりと下がり暮の春
薬液の静かに満ちて春の闇
モヴィ-ルの糸絡まりぬ鳥の恋
からすのえんどう全身を覆いけり
あれはそう風の泣く声山桜
別れ告ぐスマホの画面花の雨
泣きくれてなほしなやかな柳かな
パンジ-にはするなよ内緒の話
逃げ水を夜逃げや本舗売りにけり
拠りどころなさそな顔に蠅生る

寒い。
スト-ブを焚きました。
里山にに住む知人が腕一杯の野蕗と筍を置いていってくれました。
蕗は薄味で煮染め、筍の一本は皮付きのままオ-ブンで焼き、柚胡椒と生醤油でさっぱりと。後は茹で薄味で煮る。そうそう庭のタラの芽が茫としている内に大部伸びましたが、これはこれで、天麩羅や胡麻和えにしたり、オリ-ブオイルで焼いて食しても美味。
今年も春の新鮮な命をいただけてありがたい。

「はがきハイク第15号」&「面、121号・西東三鬼特集」拝受。

Sylvie GuillemのDVDは借りたまま。すみません。
https://www.youtube.com/watch?v=WoKGR4CmwXQ&list=RDWoKGR4CmwXQ#t=31

あいかわらず、コレ付けっぱなしで作業。手が止まるのが多すぎるww
http://www.nicovideo.jp/watch/sm6004430

雨が窓を叩く。



































帰りたい風景帰れない風景No509

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「見るもののみな既視感と云ふ朧      七」







一年の嘘を列べて万愚節
清明や空の青みを水に映え
空き箱に空き箱を入れ鳥曇る
こんなことしては居られぬ春炬燵
蜆汁案外深い闇混ざる
別れ際うぐいす餅の手に重く
鞦韆を漕いで月までの距離
野遊びの匍匐前進老人会
紙風船泣き虫の子がおかあさん
ガラス玉たくさん吊し修司の忌
朝寝してゆふべの旅の重さかな
春の夢泪の川を漕ぎにけり
脳漿はあふれる蝌蚪の棲み処
花の昼溶ける時計の中にいる

花辛夷風を見たと云ふあの人
花盛りの森にいていつもひとり

https://www.youtube.com/watch?v=3SvmF8kb5CY

https://www.youtube.com/watch?v=ZuI61cTNbAk














































帰りたい風景帰れない風景No508

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「たんぽぽのぽのあたりかな潮満ちる      七」





たんぽぽのぽを一面に置きにけり
たんぽぽのぽをいただいてデトックス
たんぽぽのぽを玉にして大当たり
たんぽぽのぽに泪して溺れたり
たんぽぽのぽと手を取りて駆け落ちす
たんぽぽのぽとの密会ホ-ムにて
たんぽぽのぽは野を出でて引き籠もる
それなりにぽは覚悟してたんぽぽに
きぞはまたぽのいくつかが消えました
ぽを捨ててたんぽぽはまたぽを探す
ろくねんののちのたんぽぽぽにであふ